ジョナサン・アイブ氏がデザインした主な作品をご紹介します。
先日退職することを発表したApple最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ氏ですが、在籍約30年の中でいくつもの優れた製品を発表してきました。
スティーブ・ジョブズ氏のAppleへの復帰、そして会社の立て直しの象徴とも言えるiMac G3は今なおそのデザインが評価されていますし、
たとえジョナサン・アイブという彼の名前を知らない人でも、iPhoneやiPodなどの商品は現代の若者のライフスタイルに大きく影響を与えています。
そこで今回はそんな彼が残してくれた作品を、写真や動画にて振り返っていきたいと思います。
懐かしいものから新しいものまで、デザインの変遷やその当時の思い出など振り返って頂けたら嬉しいです。
ではさっそく見ていきましょう。
1990年代のジョナサン・アイブ氏の作品
Newton eMate 300 (1997年)
<出典:Ryan Schults>
Newton eMate 300は教育市場向けに投入された安価な携帯情報端末です。
手書き認証があるなど世界初のPDAとして発売されたニュートンの後継機で、かつキーボードがあることから子どもたちの将来的なノートパソコンへの移行も考慮に入れられたモデルです。
800ドルで発売されたこの端末はニュートンシリーズの終了により姿を消しましたが、
その特徴的な半透明の曲線的なデザインやポリカーボネート樹脂の使用は、このあとに続くMac製品に大きく影響を与えたことが伺えますし、その商品コンセプトは20年後のiPhoneやiPadに通じているように感じます。
Newtonに関しては、こちらの動画が面白いです。
iMac G3 (1998年)
ポンダイブルーと評されたその半透明の特徴的なデザインで一世を風靡したのがこのiMac G3です。
それまでパソコンの色といえばほぼ灰色一色でしたが、このG3の青と白のカラーがパーソナル・コンピューターを一気に身近なものと変えていきました。
元々一色のみの販売でしたが、その後はキャンディーのように次々とカラーを増やしていき、上記のようなラインナップになっていきました。
2019年9月に発表されたiPhone 11も、カラフルなカラーリングが採用され、どのモデルを選ぶべきか悩んでしまいますよね。
(ちなみにゲームボーイのスケルトンモデルはいつ発売されたのだろうと調べてみたら、1994年の発売でした)
こちらは「3ステップでMacが使用できるよ」というCMです。
一体型のパソコンは今なお発売されていますが、基本コンセプトのデザイン面に優れ、ケーブルの収納など実際の使い心地に考慮された設計は今なお変わらず存在していると思います。
iBook G3 (1999年)
<出典:Wikipedia>
貝殻に似せたデザインで、持ち運ぶことを考慮されたのがこのiBook G3です。
iMag G3と同じようにパソコンに親しみやすさを持たせるデザインで、いわゆるクラムシェルモデルというものですね。
無線LANに対応しているので自宅でなくてもインターネットに接続させることができます。
重さは約3kgになるため現代のノートパソコンと比べると重たいですが、当時の競合製品と比べてバッテリーが大容量かつ外装も頑丈だった点は大きな特長の1つでした。
2001年には後継機が発売され、12インチは約2.2kg、14インチは2.7kgと改良されました。
2000年代のジョナサン・アイブ氏の作品
Power Mac G4 Cube (2000年)
ミニデスクトップとして新しく発売されたのがPower Mac G4 Cubeです。
シルバーの筐体にポリカーボネートの外装。
遊び心のあるそのデザインは机の上を楽しくさせてくれます。
こうした半透明(スケルトン・トランスルーセント)なデザインは、ジョナサン・アイブの真骨頂ですね。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)で両脇にあるスピーカーと共に飾られています。
<出典:MoMA>
Harman Kardon iSub (iMac Subwoofer) - 2000年
またニューヨーク近代美術館に飾られている商品は他にもあります。
こちらのiSubです。今ではすっかり見慣れた「i」の文字があります。
WWDCで商品が発表されるなど期待も高く、G4シリーズのお供として活躍しました。
価格も99ドルで日本価格も約14,000円とお買い得でした。
<出典:PC Watch>
iPod (2001年)
<出典:Wikipedia>
このiPodに関しては、正直書くことがありません。それ位すでに皆さんがご存知の商品だと思います。
「1,000 songs in your pocket」というわかりやすいキャッチフレーズと共に、
黒いシルエットに白のイヤホンが特徴的なCMを数多く展開してきました。
このCMの影響により、
「電車の中で白いイヤホンを付けている」=「iPodを使っている」
とすぐに判断できましたし、ファッションアイテムとしても商品を売り出すところは、今のiPhoneのAirPodsやEarPodsと同じです。
iMac G4 (2002年)
<出典:Wikipedia>
一体型パソコンとしてまたもや特徴的なデザインとして誕生したのがこのiMac G4。
スティーブ・ジョブズ氏に「ひまわり」とも評されたこのiMacG4は、モニターを自由に動かすための可動アームが備わっています。
最新のMac Pro用のディスプレイであるPro Display HDRにに最適化されたモニタースタンド「Pro stand」が1,000ドル(約10.8万円)であることを考えると、
このiMac G4のスタンド、超お買得です!笑
<出典:Apple>
こうした特徴的なデザインを他のことに活かそうとする人は多く、ランプにしたり、iPadのスタンドとして活用されています。
iMac G4、めっちゃ動くやん!!!
Power Mac G5 (2003年)
<出典:Wikipedia>
今なお多くのファンに愛されているのがこのPower Mac G5です。
その特長はデザインと冷却性能の高さで、これまでの無色透明のデザインからアルミニウムの筐体となり、Appleのプロ向け製品のデザインとして定番のものとなりました。
インテルCPUを搭載するにあたってこの製品の販売は終わりを迎え、2006年からはMac Proとして後継機が発売されました。
ただデザインは踏襲されており、2013年に新しいデザインのものが発売されるまで約7年間というロングセラーな設計となりました。
2013年のMac Pro
2019年発売予定のMac Pro
<出典:Apple>
iMac G5 (2004年)
<出典:Matthew Welty>
ひまわり型のiMacから、現在のものへと続くデザインの元祖がこのiMac G5です。
液晶一体型のデザインや画面の角度を変えることができるアルミニウムのスタンドは、現行モデルのもと同じであり、VESAマウントも取り替えることもできます。
見た目はiPodのような白を基調としたデザインで遊び心を感じさせてくれます。
iPod mini (2004年)
<出典:JayKeaton>
アメリカで品不足になるほど大人気となったのがこちらのiPod mini。
今のスマートフォン業界を見ると端末の大型化が進む一方ですが、小型化してアメリカでも人気が出るなんて今見ると面白い現象だと個人的に感じています。
またこのモデルからインターフェースがタッチホイールからクリックホールに変わり操作性が向上しました。
それまでは「指を滑らせて」使用する箇所と、「押して使う」箇所が別れていましたが、それが一元化されました。
見た目もごちゃごちゃせずシンプルで美しく、たくさんのカラーの商品が投入されました。
PowerBook G4 (2001-2005年)
<出典:Ashley Pomeroy>
PowerBookシリーズ最後の機種がこのG4です。
後継機は今なお続くMacBook Proで、インテル製CPUを使わないモデルとしては最後の機種となります。
このPowerBook G4は使用する素材の転換期となるデバイスで、2001年から2005年までの発売で様々な素材、サイズの商品が投入されました。
今までPowerBookといえばPowerBook 100のようなプラスチックで比較的可愛らしいデザインでしたが、このモデルは「チタニウム」や「アルミニウム」という金属が使用されました。
以後、アルミニウムを使用したノートパソコンというのはMacBookの大きな特長の1つであり、スタンダードとなっていきました。
iPhone (2007年)
2000年代最後の商品は、iPhoneです。
初代iPhoneはアメリカやイギリスなど一部の国のみの販売でしたが、3Gに対応した2世代目から日本を含めた多くの国や地域で販売されました。
iPhoneは、これはもう何て説明したら良いんでしょうか。iPhoneはiPhoneです。
もう発売されてから10年以上経つんですね。
当時のiPhoneに対する海外、日本での評価は下記の記事で書いています。
iPhoneを中心としたスマートフォンの誕生は人のライフスタイルを大きく変化させ、すでにインフラになりつつあります。
こうした変化を実際に体感した人はスマートフォンのありがたみを感じると思いますが、一方でスマートフォンの存在が当たり前な若い世代の方にとっては、まだまだ改良の余地がある商品なんでしょうね。
2010年代のジョナサン・アイブ氏の作品
iPad (2010年)
2010年代初めの作品は、iPadです。
パソコンでもない、スマートフォンでもない、第3のカテゴリーの商品を生み出しました。
当時のメディアの反応に関しては、こちらの記事で書いています。
現在ではそのラインアップも多角化され、教育、ビジネス、デザイン、エンタメなど様々な分野でiPadが使用されています。
iOS 7 (2013年)
iPhoneに使用されているiOSでは、新しく「フラットデザイン」が採用されました。
これまでのリッチデザインやスキューモフィズムと呼ばれた、なるべく3Dにしたり実際に存在するものにデザインを似せていくのではなく、シンプルで洗練されたデザインに変えていくのがフラットデザインです。
この新しいiOSは、iPhone 5s/5sから搭載されるようになりました。
Leica M(チャリティーオークション用)- 2013年
<出典:designboom>
U2のボノが関わるチャリティーイベントのために作られたのが、このLeica Mです。
世界的デザイナーのマーク・ニューソン氏と共に1台だけ制作され、約1億8280万円で落札されました。
ちなみにこのマーク・ニューソン氏も、ジョナサン・アイブ氏の新会社に参画する予定です。
ローズゴールドのEarPods(チャリティーオークション用)- 2013年
<出典:designboom>
Leica Mと同時に制作されたのがローズゴールドのEarPods。
約4,670万円で落札され、その売上はエイズ、マラリア対策として使用されたものと見られます。
<出典:マイナビ>
Apple Watch (2015年)
全38モデルの豊富なラインナップ、そして最も高いモデルは税込み約235万円と度肝を抜く商品だったのがこのApple Watch。
<出典:Engadget>
さすがにこのような高額なモデルは長続きしませんでしたが、その後もエルメスやナイキとコラボしスマートウォッチ市場で存在感を示す商品となっています。
発売当初宣伝にかなり力を入れており、日本では伊勢丹、新宿店本館1階にApple Watch専門店を作っていました。
現在では「Apple 新宿」がありますので、オープンから約3年で閉店しています。
Apple Park (2017年)
Appleの新本社です。
イギリスの建設大手フォスター・アンド・パートナーズと共に建物の設計を行いました。
<出典;BBC>
敷地内には公園や池などを設けており、電力も全て自然エネルギーで賄っていると言われています。
また観光客向けにオリジナルグッズを販売しているので、カリフォルニアに行かれる方はぜひお立ち寄りください。
個人的には、以前ネットで話題になっていた「寿司職人」の求人がどうなったか知りたいです。社員向けの料理人ということでしたが、観光客でもお寿司を頂くことはできるのでしょうか?(無理ですよね。はい。)
ダイヤモンド・リング(チャリティーオークション用)ー2018年
<出典;Diamond Foundry>
チャリティーオークションのための作品は2013年にも行いましたが、
再びマーク・ニューソン氏と共に、ダイヤモンド・リングのデザインを行いました。
アフリカのHIV/AIDS対策として、落札金額の約2,700万が使用される予定です。
まとめ
以上で「ジョナサン・アイブ氏がデザインした主な作品」の紹介は終わります。
やはりAppleとジョナサン・アイブ氏の歴史は重なるところが多く、記事を書きながらいろいろと思い出が込み上げてきました。
Appleファンは熱狂的な人が多いですが、近年はそれだけでなくより幅広い層に商品やサービスを展開しています。
Appleには今後も日常生活をより良くなるサービスを展開してほしいですし、ジョナサン・アイブ氏も新会社がうまく軌道に乗り、また違う形で会えることを楽しみにしています。
それでは今日はこのへんで。
管理人、きむきむでした。
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