こんにちは、きむきむです。
今日は2007年に発売された、初代iPhoneのメディアの評価に関してまとめていきます。
海外や日本のメディア、あるいは著名なジャーナリストの意見を確認していきます。
先日は「初代iPadの発売当時のメディアの反応」を調べましたが、
記事を書いているうちに、「じゃあiPhoneの場合はどうだったんだろう?」と感じたのがきっかけです。
日本でiPhoneが発売されたのは、2代目にあたるiPhone 3G (2008)からですが、初号機に関する情報ってあまり聞いたことが無かったんですよね。当時雑誌の「DIME」にその記事が掲載されていたのを読んで興奮していたのは覚えてますが。
というわけで、さっそくいってみましょう。
目次
初代iPhoneとは
スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテーション
「2年半、この日が来ることをずっと待ち望んでいた」
この言葉とともに、スティーブ・ジョブズ氏のiPhoneに関するプレゼンテーションが始まりました。
実際にここで発売されている商品そのものは日本国内で販売されることはなかったのですが、センセーショナルなプレゼン内容が多くのApple好きの方に響き、またそれだけでなく、後に数多くのビジネス書籍でもテーマとして取り扱われることになりました。
「再開発する」というフレーズは、「One More Thing」と共に、Appleが行うプレゼンテーションでは良く耳にする定番フレーズではありますが、この時ほど単純に商品を発表するだけでなく、その製品の業界や、人々のライフスタイルを変化させてしまうようなインパクトある内容だったことは、それほど無かったかもしれません。
すでに携帯電話市場には、「スマートフォン」と呼ばれるものが存在していました。
「電話」、「メール」、「インターネット」と3つの機能が備わっており、また
「物理キーボード」が備わっていることも、大きな特長の1つでした。
具体的なメーカーとしては、
「BlackBerry」「モトローラ」「ノキア」「Pal, Inc」などです。
こうした現状に対し、スティーブ・ジョブズ氏が指摘したのは、
ただ問題は、それらはけしてスマートではないし、そんなに使いやすいものではないよね
というものでした。
初代iPad発表時に指摘した「Netbook」と同じように、ざっくばらんで、するどい発言です。
その後、革新的な新製品をスティーブ・ジョブズ氏は発表していきます。
動画の内容はとても面白いので、良かったら前半だけでも見て下さい。
スペック
価格 | 499 ドル or 599ドル (2年契約) (他社製品は300ドル以下が主流な時代) |
スクリーンサイズ | 3.5インチ |
重量 | 135g |
厚さ | 11.6mm |
ストレージ | 4GB、8GB。翌年から16GBも販売 |
メモリ | 128MB |
カメラ(背面のみ) | 200万画素 |
キャリア | AT&T1社のみ |
通信方式 | 2G (日本では対応していない方式) |
カラー | シルバーのみ |
材質 | アルミニウムとプラスチック |
Webの連続利用時間 | 6時間 |
待受 | 250時間 |
ちなみに、「iPhone 3G」もメモリは128MBで、「初代iPad」は256MBです。
特長、何が新しかったか
マルチタッチパネル
画面上はホームボタンが1つあるだけで、残りは全面ディスプレイ。
・フリック
・ストップ
・クリック
・ダブルクリック
・ピンチイン
・スプレッドアウト
など、指の動きに合わせて直感的にスマートフォンの動作をコントロール。
その挙動が物理キーボードをいじる時と全く異なるため、いじっているだけで未来を感じることができ、実際にCMで動いているiPhoneのように楽しく端末をいじることができました。
デザイン
アルミニウムによる上品なデザイン。
電波を掴むために下部はプラスチックで出来ていますが、その箇所がブラックなため、ロゴと共に存在感のあるツートンカラーを形成しています。
3つの先進的センサー
今では当たり前となった、下記のセンサーが導入されました。
・加速度センサー
・近接センサー
・照度センサー
どんなときに役立つかというと、
・iPhoneが端末の傾きを検知して、画面が縦から横になる。
・電話で耳をiPhoneに近づける時、タッチパネルの動作が無効になる。
・画面の明るさが、環境に合わせて自動に調節される、といったものです。
海外の評価
ポジティブな主張
THE WALL STREET JOURNAL
まずはおなじみウォール・ストリート・ジャーナルから。
The iPhone Is a Breakthrough Handheld Computer.
上記のタイトルから記事が始まりましたが、
「ブレイクスルー」、「手の中のコンピューター」など、気持ちの良い単語が並びます。
But most of these "smart phones" have had lousy software, confusing user interfaces and clumsy music, video and photo playback.
And their designers have struggled to balance screen size, keyboard usability and battery life.
本文に入ると、まずはこれまでの「スマートフォン」に関する不満から記事が始まります。
これまでのスマートフォンの多くは質の悪いソフトウェアを搭載しており、困惑させるようなインターフェースや粗悪な音質、使いづらい動画や写真の表示などばかりだった。
それと同時に、デザイナーもスクリーンサイズや(物理)キーボードの実用性、バッテリーの持ちなどをどのように最適化するのか悩んできた、といった内容です。
そんな現状に、Appleのイノベーションやデザインが搭載されたiPhoneが市場に降り注ぎ、
Even though the phone's minimum price is a hefty $499, people are already lining up outside Apple stores to be among the first to snag one when they go on sale Friday evening.
iPhoneの最低価格は499ドルと高価であるにも関わらず、人々がApple Storeに並んでいることが書かれています。
そういえば、このときにアナウンサーが盗難事件に巻き込まれたそうです。
インタビュー中に横から犯人が手を伸ばしてiPhoneを持っていこうとしたんですよ。
ただ持っていったのはアナウンサーのマイクで、犯人はその場で取り押さえられました。
2週間によるiPhoneのテストの後、ウォール・ストリート・ジャーナルはこうiPhoneを評価しました。
despite some flaws and feature omissions, the iPhone is, on balance, a beautiful and breakthrough handheld computer. It's software, especially, sets a new bar for the smart-phone industry, and its clever finger-touch interface, which dispenses with a stylus and most buttons, works very well, though it sometimes adds steps to common functions.
いくつかの不備や機能が足りないところがあるにも関わらず、iPhoneは均整が取れており、美しく、手の中に収まる画期的なコンピューターだ。
とりわけ手によるスマートフォンを操作するインターフェースについて褒めています。
そして、ここからは下記のネガティブな主張とは意見が異なる内容もあるのですが、
It has the largest and highest-resolution screen of any smart phone we've seen, and the most internal memory by far. Yet it is one of the thinnest smart phones available and offers impressive battery life, better than its key competitors claim.
今まで我々が見たどんなスマートフォンよりも、大きく、高解像度のスクリーン、そして大きなストレージをiPhoneは兼ね備えている。
また最も薄いスマートフォンにも関わらず、魅力的なバッテリーライフを提供している。
とまさにべた褒め状態な記事を書いています。
一方で「iPhoneの欠陥」としては、AT&Tの貧弱な回線1社しか選べないことや、
Wi-Fiのネットワークはまだ広範囲で整備されていないため、2Gの回線をWi-Fiで補うことはできない、と言った内容が書かれています。
そのほかiPhoneの足りない機能として
・メッセージ機能
・動画撮影機能
・SafariのFlashへの対応
・ゲームアプリやiTune's Music Storeへのアクセス
などを上げていました。
ウォール・ストリート・ジャーナルは「カメラの性能も良い」と評価していたので、ガジェット専門のメディアに比べるとかなり褒める基準が低めの印象を受けました。
ネガティブな主張
GIZMODO
Gizmodoの編集長が執筆したiPhoneのレビューです。まず、
This is what the phone of the future will look like, and Steve Jobs and Apple should be proud. iPhone of 2010 aside, this model must be judged on what it is today.
と、iPhoneがあたかも未来のスマートフォンのようなものであると評価している一方で、でも実際に2010年の端末ではないわけだから、現実的に判断しないといけないよね、と釘をさすコメントをしています。
ちなみに、2010年に発売された端末は「iPhone 4」になり、初めてRetinaディスプレイが搭載された他、「初代iPad」と同じく、サムスンではなく自社製のCPUを搭載したモデルになりました。
では、実際に不満を感じるところを見ていきます。
I just spent $600 on my iPhone and it can't do some crucial functions that even $50 handsets can.
600ドルも払ったのに、50ドルの携帯でも出来る重要な機能が、いくつかできないよ。
とし、具体的には「MMS」や「ビデオ録画」「連絡先の共有」などを上げています。
他には
My phone only had 40% left after 4 hours of light to moderate use.
バッテリーの減りが早い。
this thing is not Mac stable, it is maybe Windows mobile stable(省略)- Apps crash out a few times a week, especially in the uncontrolled web, using Safari,
そこまでラグがあるわけじゃないけど、Windowsモバイル並の安定性かもしれない。
週に何回かはアプリが落ちるかな。特にSafariで最適化されていないと。
he says that AT&T has the worst or second to worst reception in 19 out of 20 major cities, (省略)- Apple is in bed with AT&T for at least 5 years.
ある人の情報によると、AT&Tの電波は、20都市中19都市でビリか下から2番目なんだよね。AppleはAT&Tと5年は提携関係にあるからね..。
そのほか、通話品質に関しても不満をこぼしています。
いろいろと細かい不満はあるものの、
GIZMODOの記事は非常に中立的で、iPhoneの良いと感じるところは素直に良いと書いているため、非常に好感が持てました。
<出典>GIZMODO Apple iPhone Review
BUSINESS INSIDER
つづいてBUSINESS INSIDERから。
こちらは2017年に投稿された記事で、10年前に発売されたiPhoneを検証する内容となっています。
look how terrible the first one seems today.
今から見るとどれくらいひどかったか見てみよう。といった内容のタイトルです。
中々挑戦的ですよね。
it's fun to look back and see how many now common features were missing from the original iPhone.
とし、「今のごく一般的な機能がどれほど初期のiPhoneに欠けていたか、振り返るのは楽しい」と発言しながら、iPhoneに関する不満が掲載されています。
例えば
2G wireless which is painfully slow. It's basically as slow as home internet was before high speed broadband.
というインターネットの速度やAT&Tの回線問題。
There was no App Store when the iPhone launched.
App Storeが、iPhone発売当初には存在しなかったこと。
また「ジョブズ氏がApp Storeを望んでいてかわからない」との記載もありました
その他
you couldn't change the wallpaper on the first iPhone.
壁紙の変更ができなかった。
It took three years for Apple to add cut/copy and paste.
コピー&ペーストの機能が追加されるまで3年かかった。
Wanna text message in landscape mode? The first iPhone couldn't,
iPhoneを横にしての文字入力ができなかった。
といった今のiPhoneに比べて出来なかった様々なことが記載されていました。
未来から過去を振り返る性質上、iPhoneが普及するかなど未来に関する言及はもちろんありません。
米Microsoft CEO Steve Ballmer氏
最後に、ビル・ゲイツからCEOの立場を受け継いだ、スティーブ・バルマー氏
(2010-2014)
技術者であるビル・ゲイツに対し、経営のスペシャリストと名高いバルマー氏ですが、iPhoneに対する印象を聞かれた際に、否定的な見解を示した動画が残されています。
“$500 full-subsidized with a plan! I said that is the most expensive phone in the world and it doesn’t appeal to business customers because it doesn’t have a keyboard, which makes it not a very good email machine,
2年契約で500ドルなんて、世の中で最も高い携帯電話だね。
ビジネス用途では魅力が無いよね。だってキーボードが付いていないし、それじゃ良いEメール端末とは言えないよ。
Now, it may sell very well or not, I, you know. We have our strategy, we’ve got great Windows Mobile devices in the market today, we, you can get a Motorola Q phone now for $99, it’s a very capable machine, it’ll do music, it’ll do, uh, Internet, it’ll do email, it’ll do instant messaging. So, I, I kinda look at that and I say, well, I like our strategy. I like it a lot.
まあそれが売れようと売れなかろうと、マイクロソフトには我々の戦略がある。
今はウインドウズモバイルが市場には出回っていて、それがすごく良いんだ。
モトローラ Qは99ドルで買えて、いろんなことが出来るんだ。音楽を聞いたり、インターネットをしたり、メールを書いたり、インスタントメッセージを送ったりね。私は僕らのやり方を気に入ってるよ。
日本の評価
次に日本での評価を見てみましょう。
初代iPhoneに関する報道はあったものの、シンプルにスペックに関するもののみ取り扱った記事が多かったため、日本で初めて販売された「iPhone 3G」に対する反応を書いていきます。
ちなみに、ITmediaの記事によると、写真付きでソフトバンクの孫正義社長が会場にいたことを報じています。
ネガティブな主張
まずはネガティブな主張から。
2ちゃんねる開設者、未来検索ブラジル取締役 西村 博之(ひろゆき)氏
1番初めに紹介した、iモードの生みの親、ドワンゴCEOの夏目剛氏との対談の間の
「雑談」で、iPhoneに関する会話がなされています。
1ヶ月後には使っている人はほとんどいないと思いますよ。iPod touchも今、使ってる人見ないもん。
初代「iPhone」は2007年6月販売。
初代「iPod touch」は2007年9月の販売と、iPhone 3Gの前年になります。
iPhoneは今までで最高のiPodって前言ったけど、それiPodにも来ますよ〜的なプレゼンをしてくれます。
iPhoneは電話として不便じゃないですか。電話として結局使わないから持ち歩かなくなって、誰も持っていないという状態になると思うんですけどね。
そういえばiPhone 3Gが日本で発売されてから、1年もしないでネット回線を利用した電話アプリが登場してとても驚いた記憶があります。
スカイプはパソコンで使っていましたけど、それと同じような機能のアプリがiPhoneでダウンロードできました。
国内トップシェア シャープ常務取締役
新たなデバイスが登場したことで、市場全体が盛り上がる効果が出てくる。また、ユーザーが携帯電話のユーザーインターフェースに対して関心を持つようになるだろう。当社が提供しているタッチパネルや光タッチクルーザーといった機能に注目が高まることを期待している。
タッチパネルが搭載した「931SH」やデジカメケータイなど技術力と目の付け所がシャープな時代でした。
日本の携帯電話の文化として、メールを使う文化がある。ユーザーにとってもメールが使いやすいかどうかがケータイを選ぶポイントになっている。そのため、日本ではキーボードが必須である。これまで当社が培ってきたユーザーインターフェースと、(省略)ーiPhoneには太刀打ちできると考えている。大丈夫だろう。
いわゆる写メール文化を日本に植え付けたシャープですが、この頃すでに、
多くの人はケータイとデジカメを別々に持ち歩いているが、ケータイのカメラ性能を飛躍的に向上させることで、2台持ちではなくケータイ1台にしてほしい
と、今我々がスマホに期待していることと全く同じ方向性を向いていることがわかります。アジアへの進出や、欧州や米国市場向けにスマートフォンも展開していたんですよね。
NEC 取締役執行役員専務
日本には片手で簡単操作するという文化が定着しており、iPhoneのような両手で持って使うという利用は主流ではないだろう。
携帯電話が最も操作される空間の一つ「電車」での利用シーンを見ても、吊革に手をやりながら片手でメールを打つのが日本では一般的。だが、吊革を持ちながらiPhoneを操作するのは難しい。そのため、NECではiPhoneの広がりには限界があると見ているのだ。
↑掲載元のZDNet Japanによる補足説明
リアルタイムで「iPhone 3G」を使っていましたが、片手での操作が難しいという意見があったことは初めて知りました。端末は丸みを帯びていたので持ちやすい印象だったのですが。
とはいえ、当時の携帯メーカーが、実際に使用するシチュエーションを細かく想定していたことがわかります。
NEC執行役員
iPhoneは形状もビジネスモデルも違う。既存の携帯電話とは棲み分けが起こり、
『もう一台持とう』というようになるだろう
↓以下、掲載元のcnet Japanによる補足
既存の携帯電話の場合、携帯電話事業者がメーカーから端末を買い取り、消費者には格安で提供して月々の通信料金で回収する、というモデルだった。
これをアップルは、端末を通信事業者に割安で提供する代わりに通信事業者から月々の通信料金の一部を得るというモデルに買えた。
これまでの携帯電話事業者とメーカーの力関係が完全に変わったと言ってもいい。
同じNECの社員であっても、携帯電話と競合する商品なのか、補完性のある商品なのか、見方が異なるのは面白いですね。このあたりは、すでにiPod touchが発売されていた影響もあるのでしょうか。
ビジネスモデルに関しては、この頃から頻繁にキャリアとメーカーの力関係が議論されるようになりました。このあたりは今なお議論する余地のあるテーマですね。
ポジティブな主張
次はポジティブな見方をしていたメディアの主張です。
iモードの生みの親、ドワンゴCEO、夏野剛氏
2チャンネル開設者の西村 博之(ひろゆき)さんとの対談の間の「雑談」で、iPhoneに関する会話がなされています。
iPhoneは3G接続だと遅いけどWIFiは速くて快適だねぇ。ビュワーとしては最高に面白い。
こういうの作りたかったんですよ。
でも格好いいよ。なんでこれが売れるかユーザー目線で分析すると、最新の携帯電話は5万円するけど、iPhoneは2万3000円。2万3000円は安いよ。
iモードは、携帯電話でウェブページが閲覧できる世界初のサービスと言われていますが、競合するサービスだけに共感できるところも多かったことが予測付きます。
iPhone登場で僕がドコモでやるべきことは終わった。だから辞めた
有料記事ですが、上記の記事でこのあたりのことはいろいろ書かれています。
また参考ですが、当時の2008年に売れた携帯電話の情報を、同じくITmediaが綺麗にまとめています。
記事を見てみると、
1位、ドコモ「P906i」、2位au、「Woooケータイ W53H」、3位ドコモ「905i」となっており、ソフトバンクは「812SH」がランキングの9位にかろうじてランクインしていたのみでした。P906iは、新規契約で4万2,000円とあります。
iPhone 3G (上位モデルの16GB)は、実質3万4,560円です。
ガラケー全盛の時代でした。
AV Watch
次にAV Watchから。
気になるのが音質だ。国内発売されていないが、初代iPhoneではヘッドフォンジャックが独自の形状だったため、利用できるイヤホンが限定されていたという。その点、iPhone 3Gでは、標準的なステレオジャックに変更され、一般的なイヤフォンが利用可能となっている。ユーザーに選択の幅が与えられている点は、嬉しい機能強化といえるだろう。
(省略)-ケーブルの途中に、スイッチを兼ねたマイクを備えているのが最大の違いだ。
これは個人的感想ですが、
やはり日本はウォークマンの国ですから、音楽に関するこだわりが40代以降の方だと特に大きい気がします。音楽をどう聞くかというのは、今なお新しい規格が導入される度に阿鼻叫喚する人を誕生させます。
ITmedia
お次はITmedia。
長年この分野の大手メディアであるだけに、単なるスペック以上のことを多く批評しています。
iPhone 3Gは電波感度向上などの理由もあり、背面パネルが金属製から樹脂製に変更された。先代iPhoneも持つ筆者は、「高級感は少し薄れるかな」と考えていたのだが、その予想はよい意味で裏切られた。背面パネル部分は樹脂製とは思えないほど質感が高く、プラスチックにありがちな安っぽさはみじんもない。塗装とコーティングが厚く、丁寧に作られており、まるで漆器のような光沢と質感である。
電波問題とデザインに関しては、iPhoneを語る上では避けられないテーマですね。
多くのメディアがこの点について言及しています。
このボディの「丸み」によって幅62.1ミリのワイドボディながら、片手持ちが違和感なくできるようになっている。
カタログスペックと写真だけ見て、"iPhone 3Gは両手でないと使えない"と判断するのは
早計である
iPhoneのサイズに関しては、役職が上の立場の人ほど否定的なコメントがWeb上で散見されますが、このあたりをITmediaはしっかりと否定しています。
iPhone 3Gを実際に使ってみると、「タッチパネルの目新しさだけ」がその魅力の本質でないことが分かる。iPhone 3Gは”タッチパネルありき"で作られたのではなく、"21世紀の理想的なケータイ"をゼロからデザインしたら、結果としてタッチパネルを活用するスタイルになったーというのが真実だろう。(省略)ーケータイにおけるまったく新しい操作体系を再定義した。コンテンツにある設計思想や哲学が新しいのである。
日本のメディアでこうした俯瞰目線の批評は珍しい気がします。
ひと言で評せば、それは「洗練された自由」である。(省略)ー機能という「できること」だけ見れば、今までの携帯電話やスマートフォンと大差ないかもしれない。しかし、自由度の高さでは、従来の携帯電話を大きく上回り、UIの洗練では既存のスマートフォンを凌駕している。洗練された自由を手のひらに納められることこそが、iPhone 3Gを持ち歩く最大の
メリットである。
初めてiPhoneの存在を聞いた時、手のひらにGoogle(検索)がおさまることを想像し、強く興奮したのを思い出しました。ライフスタイルが激変すると。そして実際に変わりましたからね。
iPhone 3Gを日常的に使ったこの2週間、筆者はずっと5年後の未来に時計を早回しにしたような感覚を持っていた。インターネットの世界にシームレスにつながり、さまざまなデジタル機器にダイレクトに触れて操る。そこにはケータイの未来、コンピューティングの可能性があふれている。率直に言おう。iPhone 3Gのある生活は、とても楽しく、エキサイティングだ。
ちなみに5年後というと、iPhone 5sと5cが発売された年になります。
1つ前のモデルで問題となったLTEの接続問題も大分解決され、新色ゴールドや初めて2種類のiPhoneが同時にリリースされることになりました。
この頃はAndroidも飛躍し、「Xperia Z1」や「GALAXY Note 3」、「Nexus 5」など、記憶に新しい良デバイスが勢揃いすることになります。
終わりに
以上で「初代iPhone(2007) の海外、日本での評価」に関する記事は終わりです。
私の周りですと、「iPhone 3GS」から一気にスマホが普及した印象がありますが、皆さんの周りはどうでしたか。
また実際に皆さんがiPhoneを所有して抱いた感想と、メディアの批評との間に、何か違いはありましたか。
10年でスマホは我々の生活に欠かせないものになり、同時に最もパーソナルなプロダクトとなりました。これからそのスマホがどのように進化するのか。また我々のライフスタイルがどのように変化していくのか、とても楽しみです。
では今日はこのへんで。
またお会いしましょう。
管理人、きむきむ。
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