Appleは7月9日、新商品である13.3インチのMacBook Air、MacBook Proを発表致しました。
それに伴い、Appleの販売ラインナップから下記の商品が取り消されたことがわかっています。
・MacBook 12インチ
・MacBook Air(非Retina)
こうしたAppleの試みは製品ラインアップを整理することが目的と見られ、
より安い価格でMacBook Air(Retina)やクアッドコアCPU搭載のMacBook Proが欲しい方には好意的に見られる一方、920グラムのMacBookが無くなったことを嘆くユーザーも多く存在しています。
そこで今回の記事では、
現在のAppleの販売ラインナップを確認する
と共に、
なぜこのような販売ラインナップをAppleが形成したのか
について考察していきたいともいます。
ではさっそく見ていきましょう。
現行の販売ラインナップ
<出典;Apple>
ここではラップトップのみ取り扱いますが、商品構成はシンプルなものになり、
・MacBook Air 13.3インチ(11万9.800円〜)
・MacBook Pro 13.3インチ(13万9,800円〜)
・MacBook Pro 15.4インチ(25万8,800円〜)
の3種類になります。
これにより、全てのモデルでRetina液晶、TouchIDが使用できるようになりました。
大きく分けると、MacBook Airを選ぶか、MacBook Proを選ぶかの2択となり、商品の選択が行いやすくなりました。
またそれに伴い、今回発売が廃止された商品が、
・MacBook 12インチ(14万2,800円〜)
・MacBook Air 13,3インチ 非Retina (9万8.800円〜)
の2つです。
MacBookとMacBook Airはどちらも2017年に発売されたモデルで、
MacBookはAppleのラップトップとしては唯一1kgを切る920グラムのモバイル用として、MacBook Airは10万円を切る唯一のラップトップとして人気を博していました。
廃止されたMacBook AirはRetinaではなく従来型のTN液晶を採用しており、またベゼルの厚さなど今ではややデザインや性能的に見劣りするところもありますが、
PC・デジタル家電の販売台数や販売金額を後悔している「BCNランキング」によると、未だに6月24日〜30日の売れ筋ランキングでは、「MacBook Air」が1位にランクインしています。
<出典:BCNランキング>
つまり12インチのMacBookも、MacBook Air(非Retina)も、どちらも愛された商品であるにも関わらず、「今回発売が廃止された」ということになります。
背面のリンゴマークが光るMacも、これで消滅したことになります。
なぜAppleはこの販売ラインナップにしたか
こうした売れている商品であるにも関わらず発売を停止したのは、Appleの様々な思惑が働いているように感じます。
ただここではユーザーにとって未来の期待が広がる、2点を取り上げてみたいと思います。
1.要は、iPad Proを売りたいんだな、というお話。
2.MacBook 12インチの廃止は、MacBook Air 12インチとMac Book Pro 14インチの布石である、という話。
iPad Proを売りたい
AppleはiPad Proを売りたがっています。
それは紛れもない事実で、今年の秋にはフォルダ管理やダウンロードマネージャー、Webブラウザーで動くアプリへの対応など、よりパソコンライクな使い方ができるOSのアップデートを控えています。
ただAppleがどのような層にiPad Proを売りたがっているかというと、
WIndowsパソコンの置き換えとして
iPad Proを選択してもらうことを狙っています。
デジタルデバイスでインターネットの閲覧や動画の視聴、簡単な文書の作成をメインとして活用する層にとっては、すでにその作業はスマホで十分です。
人々はよりシンプルに、楽にそうした娯楽をキレイなディスプレイで消費するためのデバイスを求めており、ドライバーのトラブルやセキュリティーに悩まされるのはごめんです。
その解決策として、iPad AirやiPad Proを売ろうとしています。
iPad Airは実際に54,800円と安価であるため、この価格で同等のディスプレーを兼ね備えるWindowsパソコンはありません。
そうしたAppleの狙いをより強めるために、重さやサイズ的にかぶるMacBookの12インチを廃止した、というのが今回の狙いです。
モバイル用途ではMacではなくiPad Proを買ってもらいたい
これが12インチのMacBookを廃止した理由の1つだと考えています。
以前、12インチと12.9インチのiPad Proのサイズ比較を行った記事を投稿しましたが、
サイズ的に比較してみると面白いものがあります。
iPad Proはトラックパッドが無いぶん、ラップトップよりも液晶が近く感じます。
フットプリントとしては、MacBookの方が小さくなります。
MacBookが920グラムであるのに対し、iPad Pro12.9インチは1,038グラムです。
画面が元々iPad Proの方が大きいのもありますが、モバイル用途として考えた時、12.9インチは少し力不足です。
ただ11インチのiPad Proや10.5インチのiPad Airと比べてときはどうでしょうか。
11インチのiPad Proの場合は765グラムほど。
iPad Airの場合は700グラムを切ります。
この700g前後の重さで、MacBookにAppleが重要視しているバッテリー、フルサイズのキーボード、強力なプロセッサを実現するのは、現時点では不可能です。
ARMベースのプロセッサが実用化された場合はまた話しが変わってきましたが、そうしたモバイル性と、LTEも含めた環境構築を考えると、MacではなくiPadをAppleが売りに行くのは合理的な選択のように感じます。
もちろん、秋のOSアップデートが成功することが大前提ではありますが。
その意味では、MacBookの廃止は、よほど「iPadの新OSに自信がある」、ということでもあると思います。
MacBook Air 12インチとMacBook Pro 14インチが発売するかもしれない
次にMacBook Air 12インチとMacBook Pro 14インチの件。
こちらは完全に憶測・妄想ではありますが、2021年にmini LED、もしくは有機ELディスプレイを搭載した16〜16.5インチのMacBook Proが発売されることを前提として書いています。
ポイントは
・Airに対するユーザーの執着・信仰
・製品ラインアップの整理
の2点で、必ずしも合理的な選択とは言えないと思いますが、MacBook Airはサイズを1つ増やすと予測しています。それは後々行われる製品のライナップの整理のためでもあります。
MacBook Airに対するアメリカの人気は計り知れないものがありまして、
そのあたりは日本のMacBookの人気や評価とは離れており、この「Air」に対する執着、人気、ブランド力をAppleは消し去ることができなかったとも言えると思います。
予想としては、
・MacBook Air 12インチ
・MacBook Air 13.3インチ
・MacBook Pro 13.3インチ
・MacBook Pro 15.4インチ
の状態から、
・MacBook Air 12インチ
・MacBook Pro 14インチ
・MacBook Pro 16インチ
へ切り替えると予測しています。
ひょっとしたら14インチはProではなくAirや単なるMacBookかもしれません。
完全に妄想です。
ただ後々訪れる液晶の進化とARMベースのCPUの実用化を前に、スペック競争では劣るAppleが競争を避けるには、依然としてこうしたブランド戦略が有効のように思えるのです。
終わりに
以上で「12インチMacBook、そしてMacBook Air(非Retina)が廃止されましたよ」に関する記事は終わります。
途中からは完全に妄想になってしまいましたが、ここのところ「名が体を表していない」Appleの商品ラインナップは、新参者にとっては非常にわかりにくく、どれを買えばよいのかわからない状態が続いていたように感じます。
その意味では今回の一部商品の販売停止は、商品ラインナップを整理するための良い機会だと思いますし、iPadに対する役割がこれまで以上に広がっていく可能性があるため、iPadユーザーとしては歓迎しています。
唯一の気がかりとしては、1kgを切るMacデバイスの存在です。
他社が700グラム前後のパソコンを発売している中、モバイルパソコンを長く先導してきたMacで同等のスペックの端末が無いことは寂しく思います。
私はiPadでそこに対抗すると予測していますが、もし1kgを切るMacbookが登場したら、それはそれで嬉しく感じます。
またMac製品でワクワクしたいですね。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
管理人、きむきむでした。
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