日本時間6月4日、Appleが毎年開催している「WWDC、世界開発者会議」がカリフォルニアのサンノゼで行われました。
WWDCはデベロッパー、開発者向けのイベントであり、iPhoneなどに代表されるハードウェアではなく、OSなどのソフトウェアを中心とした発表会です。
そのため具体的な商品が発表されないこともあり一般ウケはそれほど無いのですが、iPhoneやMac等の「未来のOS」に関して情報を提供してくれるため、
あれこれAppleのこれからの方向性や、未来を妄想するのに面白いイベントとなっています。
そんなAppleのWWDCですが、今年もイベントが開催されました。
当ブログでは、発表された内容から管理人が気になったものを中心に抜き出して紹介していきたいと思います。
↓「iPad Proの記事まとめ」はこちら↓
↓「WWDCで気になったところ」はこちら↓
WWDCで発表された大まかな内容、まとめ
WWDCは開発者向けの会議なので、Appleは毎年開発者に向けた動画を作成しています。
今回、冒頭で流された動画はこちら。
相変わらず「開発者としてのあるある」感が多々含まれており、そしてそんな自分の自尊心を高めてくれる内容に仕上がっています。
その後、順番に新しいOSやその機能を発表していきました。
発表内容は下記の通りです。
・tvOS
・watchOS
・iOS
・iPadOS
・Mac Pro、ディスプレイ
・macOS
具体的に発表された内容
では発表された内容の中から、重要だと感じたことについて書いていきます。
tvOS
日本においてはFire TV Stickにおされ気味でそれほど存在感がないApple TVですが、着実にサービスの向上が図られています。
マルチユーザー対応
プライバシーに配慮し、Apple TVで気軽にユーザーアカウントを切り替えられるようになりました。
視聴するコンテンツはユーザーの利用状況などによりレコメンドが行われるため、プライバシーだけでなくコンテンツを楽しむためにも必要な配慮だと思います。
tvOSで聞いている曲の歌詞表示に対応
Apple Musicを利用している方にとっては、この機能が嬉しいでしょう。
iPhoneでは元々歌詞の表示が可能でしたが、それがApple TVでも可能になりました。
米国では「TVの前」という空間を大切にしているため、大画面のTVや音の良いスピーカーにこだわる人が多いです。そういった人にとって地味に嬉しいアップデートと言えます。
Xbox OneとPS4のコントローラーが使用可能に
コントローラーとして、Xbox OneとPS4という既存のものが使用できるようになります。
Apple TVは一時ゲーミングデバイスとしても売り出そうとしていましたが、このところすっかり影を潜めており、映像コンテンツの視聴に特化しているように感じます。
その中でこのコントローラー対応はApple TVのゲーミング環境を変える可能性があります。
そしてもう1つ大きいのは、このコントローラー、なんとiOSでも対応するようになりました。
<出典:BGR>
iPhone 5sが発売したころに、この「iPhoneでコントローラーを使用できるようにする」という試みは行われていましたが、アプリ側の対応が甘く結局普及しませんでした。
ちなみにロジクールの下記のような商品です。
サブスクリプション側のApple Arcadeも始まりますし、この界隈の動向は目を離せなくなります。
watchOS
watch OS 6では下記のような機能が追加されます。
App Storeの誕生
Apple Watchに向けたApp Storeが誕生します。
これによりApple Watch単体でアプリケーションのインストールが可能になり、iPhoneと切り分けての使用がより進んでいきます。
騒音チェック
周囲の騒音をチェックする機能がApple Watchに加わります。
これにより
「◯◯デシベルの音がします。この場所に◯分いると、一時的に聴力への影響をもたらす可能性があります」といった警告を受け取ることが出来るようになります。
中々実用的なシーンは浮かびづらいですが、サッカーの応援をしているときやライブ会場での音楽、ファンの歓声など測定できるためおもちゃとして楽しめるかもしれません。
個人的には、防音対策として日本で普及したら面白いなと感じています。
iOS
ダークモードの追加
すでにMacには対応していた「ダークモード」が、iOSデバイスにも対応することになりました。
これにより画面の明るさを抑えることができ、人体への悪影響を抑え、また日の光が眩しいところでも視認性を高めると言われています。
プログラマーなど、長時間画面を眺める必要がある人にとっては待望の機能ですね。
私はiPhoneの「ホームボタン3回押し」でモノクロモード(白黒反転)を設定して使用しているので、もし可能であればダークモードに割り当てられるよう変更したいと考えています。
Sign in with Apple
実際に多くのユーザーにとって生活に変化が起きそうなサービスは、こちらの「Sign in with Apple」です。
インターネットを行う中で頻繁に発生する、アカウントの登録、認証やEメールの登録などをApple IDだけで代用することができます。
もちろんそのApple IDの入力はFace IDや指紋認証で行うことができますし、必要に応じてランダムのEメールアドレスを生成することができるとのことなので、より利便性とプライバシーの保護の2つを強化するAppleの方針がよくわかるサービスです。
本当にスマホ無しでは生活できない時代になってきました。
iOS 13の対応は、iPhone 6s以降に
先日A10チップとメモリ2GBに対応したiPod touchが発売されました。
このチップはiPhone 7と同じですが、ベンチマーク的にはiPhone SE相当です。
そのため同じくiPhone SEと同程度であるiPhone 6sは新OSに対応されると考えていましたが、無事2015年以降のiPhoneはiOS 13に対応することになりました。
iPadを見てみると、iPad Air 2からと記載があるため、
メモリ2GB以上のiOSデバイス
が新OSに対応していると考えて大丈夫でしょう。
新OSはメモリの消費が激しそうですね。
iPadOS
次に「iPadOS」。
iPadOSと聞いて、「何だそれは?」と不思議に感じた方、安心してください。WWDCの会場にいる方も同じような反応で、完成が湧き上がりました。
どういったことかというと、
iOSとはベースが同じであるものの、よりiPad独自の機能が使えるようにOSが再設計されるようになりました。そのためiPadにパソコン的な機能を求める人にとって、大歓迎な変更となります。
では具体的に新しい機能を見ていきましょう。
ウィジェットをホーム画面に設置できるようになった
Androidのように、iPadのホーム画面にウィジェットを置くことができるようになります。
これによりホーム画面で常時天気やニュース、カレンダーの予定などを確認できます。
iPad Pro 12.9インチでは特に「アイコンとアイコンの余白が大きすぎて無駄」と評価する声もあったので、画面を有効に活用するために良い変更点だと思います。
USBなどの外部ストレージに対応するようになった
USBやSDカードなどの外付けストレージ内のファイルを直接認識、操作できるようになりました。
またzipファイルの圧縮や解凍にも対応し、写真も「写真」アプリを介さず直接Adobeの「Lightroom」などにぶちこむことが可能になります。
これによりファイル管理がパソコンに近づくことが予測され、
「市場の92%のノートパソコンよりも速い」
とAppleが評価したiPad Proの本領がいよいよ発揮されることになります。
もうソフトウェアが貧弱なんて言われないかもしれません。
マウスに対応する
厳密にはマウスと同じ機能ではありませんが、アクセシビリティーの一貫としてマウスに近い形の機能が加わりました。
Hello mouse support on iOS 13! It’s an AssistiveTouch feature, and works with USB mice. @viticci nailed this pic.twitter.com/nj6xGAKSg0
— Steve Troughton-Smith (@stroughtonsmith) June 3, 2019
これにより画面にタッチせずにできることが、今後iPadで増えてきそうです。
特にiPad Proは「Smart Keyboard Folioとセットで使われることが前提」といった側面があるため、マウスへの対応は非常にありがたく感じます。
だっていちいち画面に手を伸ばすのは面倒くさいですもの。
Mac、パソコン化が進んだ
他にも様々な機能が加えられ、iPadのパソコン化が進むことが予測されます。
例えば
・1つのアプリを画面に複数表示させる
・Safariをデスクトップバージョンでの表示
・Google DocsやWordPressなどのWebサービスへ対応
・キーボードのショートカットキーの追加
・ダウンロードマネージャーの実装
などです。
ひょっとしたら、今回WWDCで最も革新的な変更が訪れたのは、このiPadOSかもしれません。
Mac Pro、ディスプレイ
プロ向けの端末として
・Mac Pro
・Pro Display XDR
が発表されました。
米国向けのAppleホームページでは、すでに仕様などが公開されています。
Mac Pro
G5っぽいNEWデザイン。
主なスペックとして
・コア→8〜28コア(Xeon)
・メモリー→32GB〜1.5TB
・GPU→Radeon Pro 580X〜Radeon Pro Vega Ⅱ Duo
・ストレージ→256GB SSD〜4TB SSD
8K動画を同時に3本、4K動画を同時に12本再生可能。
でもお高いんでしょう?
気になるお値段は5,999ドルから。判断は任せます。
Pro Display XDR
クリエイター待望のAppleのディスプレイ。
主なスペック
・32インチ
・6K(6,016×3,384)
・ピクセル密度218ppi
・画面輝度は1,000〜1,600ニト
・縦画面に置き換えることも可能
・同時に6台接続可
でもお高いんでしょう?
気になるお値段は、4,999ドルから。
あ、スタンドは別売りで999ドル。VESAマウントは199ドル。
高いかどうかの判断は任せます(笑)
macOS
iTunesがそれぞれの機能ごとに独立
「Music」「Podcast」「Apple TV」と3つにiTunesが分かれました。
iPhoneを使用している方にとってはお馴染みのアプリですが、Macでも同じようにそれぞれ機能が分かれました。
Windowsに対してはiTunesが継続するそうですが、これによりインターフェースがより洗練され、使いやすくなると良いですね。
Side Carで、iPadを無線でサブディスプレイ、液タブ化が可能に
またiPad関連になりますが、
MacでiPadをサブディスプレイにしたり、液タブとして使用することが可能になります。
しかも有線ではなく、無線で。
iPadOSではApple Pencilのレイテンシー(遅延)も20msから9msに改善されるとのことなので、今後もワコムとの競争が激化しそうです。
終わりに
以上で「WWDC(2019)の気になったところ」に関する記事を終わります。
今回は例年通り新しいOSに関する発表が行われた他、待望のMac Proとプロ向けのディスプレイが発表されました。
またiPadではさらなるパソコン化が進み、今までiPadが抱えていたユーザーからの不満を1つ1つ解消していく姿勢が打ち出されました。
こうした試みはCEOがティム・クックになってから顕著だと思います。
革新的な何かはそれほど発表されなくなりましたが、より便利でこうあるべきという姿をAppleは予め提案している気がします。
みなさんはどのOSのアップデートが気になりましたか?
より細かく内容を見てみたい方は、Apple 公式サイトでWWDCの動画を確認できますのでご確認ください。
記事の内容はこちらの動画が出典です。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
管理人、きむきむでした。
↓「iPadOSでiPad Proに期待している9つの機能」はこちら。
↓「iPad Proの記事まとめ」はこちら。
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