こんにちは、きむきむです。
2019年5月28日、突如iPod touchの新型が発表されました。
6月のWWDC直前に行われたこのサイレントアップデートは、
3月に実施された「iPad mini」や「iPad Air」、そして「iMac」のサイレントアップデートを彷彿とさせ、2015年以来のiPod touchのアップデートに一部ファンの間では歓喜の声が湧き上がっています。
何を隠そう私もこのiPod touch第6世代モデルを使用しておりまして、新しく誕生したiPod touchは256GBと大容量モデルも用意されているため非常に興奮しています。
ただiPodの存在感は年々薄くなりつつあり、Appleのホームページでは、「Music」カテゴリーの単なる1つの商品までランクダウンされています。
では一体なぜ、今回新商品として登場することになったのか。
「iPod touchがわざわざ新しく発売された理由」
「iPodではなく、iPhoneを変えばそれで良いんじゃないの?」
そのあたりについて記事にしていきたいと思います。
さっそくいってみましょう。
目次
おさらい。iPod touchのスペック
2019年モデルと2015年モデルのスペック比較
今回新しく発売されたiPod touchですが、CPUを中心にリニューアルが行われています。
2015年のモデルから成長したところを中心に、スペックを比較してみます。
2019年モデル(第7世代) | 2015年モデル(第6世代) | |
ディスプレイ | 4インチ | 4インチ |
サイズ | 変化なし | 変化なし |
重量 | 88グラム | 88グラム |
イヤホンジャック | ◯ | ◯ |
指紋認証 | ☓ | ☓ |
CPU | A10 | A8 |
メモリ | 2GB | 1GB |
ストレージ | 32・128・256GB | 16・32・64・128GB |
税込み価格: 32GB | 23,544円 | 23,544円 |
128GB | 35,424円 | 35,424円 |
256GB | 47,304円 | ☓ |
<出典:Apple>
この他ビデオ撮影フォーマット(HEVC、H.264)なども可能になってりますが、わかりやすい大きな変化としてはやはり、
・CPUのスペックアップ(A8→A10)
・メモリの増加(1GB→2GB)
・256GBの発売(税込み47,304円)
の3点です。
CPUとメモリについて
A8搭載のデバイス
2015年モデルのiPod touchに搭載されているA8チップは、
・iPhone 6/ 6 Plus(2014年)
・iPad mini 4(2015年)
・Apple TV (4K対応の1つ前のモデル)(2015年)
に搭載されています。
ただバッテリーの問題なのかiPod touchの搭載のものはダウンクロックされており、ベンチマークなどの結果を見てみると、iPhone 5s相当とも言われています。
A10搭載のデバイス
2019年モデルのiPod touchに搭載されているA10チップは、
・iPhone 7 / 7 Plus(2016年)
・iPad 第6世代(2018年)
に搭載されています。
ただ9to5Macによると、iPodtouch(2019)のベンチマークはA9のiPhone SE相当であることが報じられています。
そのため2015年モデルと同じく、ベンチマーク上のスコアは、使用しているチップのモデルよりも1つ前の端末相当であることがわかります。
そのため
・iPod touch(2015)はiPhone 6相当→実際は、iPhone 5s相当
・iPod touch(2019)は、iPhone 7相当→実際は、iPhone SE相当
と認識する必要があります。
ただもちろんこれはベンチマーク上の話しです。
実際のユーザー体験はもっと様々な要素から作り出されるものなので、
iPod touchの4インチかつ6.1mmという極細ボディに、十分なWI-FI環境があれば、実際の使用感としてはiPhone 7や6よりも満足度の高い経験を得ることが出来ます。
メモリが2GBのデバイス
iPod touch(2019年モデル)は、iPod史上初めて2GBのメモリが搭載されたデバイスです。
では2GBのメモリが搭載され始めたデバイスを確認してみると、
・iPhone 6s / 6s Plus(2015年)〜
・iPhone SE(2016年3月)
・iPad Air 2(2014年)〜
・iPad 第5世代(2017年)〜
となります。
そのためCPUとメモリから考えると、iPod touch(2019)の性能は、
iPhone SE相当である。
と言うことができます。
iPod touchがリニューアルされた3つの理由
では本題に入ります。
2015年に発売され、長らく音沙汰が無かったiPod touch。
直近ではAppleの販売カテゴリーも格下げされ、ミュージック内の単なる1商品になるなど表立ってプッシュされることが無くなったiPod touchですが、
一体なぜまたリニューアルされ発売されることになったのでしょうか?
個人的にその答えは、3つあると考えています。
iOS 13に対応するため。
Appleのオペレーティング・システムであるiOSですが、
一つ前のiOS 12の対応デバイスは
・iPhone 5s以降
・iPad Air以降
・iPod touch(2015)以降
となっています。
ただすでに一部機能は対応していないなど末期状態にあり、最新端末のスペックを最大限に発揮するためにはスペックの低い端末は障害要因になりえます。
Appleは秋に新しいOS 13をリリース予定しているため、それを実装するためにiPod touchをリニューアルしたのではないか、というのが1つ目の理由です。
また2018年にiPhoneのバッテリー交換費用が安くなったことを覚えている方もいると思いますが、Appleは以前、OSをアップデートした際に強制終了が発生するなど。「バッテリーの劣化による意図的なパフォーマンス低下」が訴訟問題に発展しました。
最終的に「バッテリーを交換すればパフォーマンスは戻る」としてバッテリー交換をユーザーに促しましたが、それによりユーザーのiPhone買い替え需要が減りました。
Appleは商品に対するサポート期間がとても長いことで有名で私も好きな会社ではありますが、端末購入を促すために新しいiPod touchを発売したのではないかと考えています。
サブスクリプションの販売を推進するため。
2019年3月に行ったAppleの発表会は、今までにないことが行われました。
それは発表会より前に新端末のアナウンスが行われ、
発表会ではサービスに関するプレゼンのみが行われたことです。
そこで発表された主な内容としては、
・Apple News+
・Apple Card
・Apple Arcade
・Apple TV Channels
というもので、月額費用が発生するサービスばかりです。
これはAppleが端末の販売ではなく、サブスクリプションサービスで稼いでいくことの意思表示でもあると考えています。スマホのスペック競争がすすみ、数年前の端末でも日常用途では問題がありませんからね。10万以上のスマホは中々売れないです。
ただサービスで稼ぐためには、それを利用できる端末が普及している必要があります。
その役割を期待できる端末の1つが、おそらくiPod touchなのでしょう。
かつてAppleのCEOスティーブ・ジョブズ氏がiPod touchのことを
the number one portable games device
と評価し、ニンテンドーDSやSonyのPSPよりも一番売れているモバイルのゲームデバイスがiPod touchなのだとプレゼンしたことがありました。
<出典:POCKET GAMER>
実際に日本でも中高生の間でヒットし、モバイルルーターとセットで「iPod touchが1円で購入できる」と量販店で販売が行われていました。
App Storeでゲームが普及したことも、iPod touchの普及が大きかったと思います。
今度はそれを、サブスクリプションで行いたい、ということでしょう。
ターゲットは、
・Apple Arcade
・Apple Music
です。そのためにファミリープランや共有も用意していますし、
新しく256GBの大容量なiPod touchを用意しているのだと思います。
業務用端末としての役割を発揮するため。
最後に、iPod touchを「業務用端末」としての役割を発揮するため、というものです。
iPod touchですが、レジや店舗内のコミュニケーションツールと使用されていることは、ご存知でしょうか?
例えば、ユニクロや無印良品、サイゼリヤ、東急ハンズなど様々な小売店で使用されています。
用途としては、在庫の確認、バーコードスキャン、レジ、決済、社内電話などですね。
私も先日ユニクロの「35周年誕生感謝祭」に行ってきたのですが、その時も新人の店員さんがiPod touchを利用して同僚と電話を行いながら対応してくれました。
こうした業務用端末としてのiPod touchが商品のリニューアルと何が関係しているかというと、セキュリティーの話しです。
一番始めに書きましたが、秋にリリース予定のiOS 13では、iPod touchの対応が無くなる可能性があります。そうすると、企業としてはサポートが無くなることでセキュリティーやアプリケーションの運用の面で不具合が生じるわけです。
モバイルのiOSデバイスとしてはiPhone SEはすでに発売されていませんし、iPhone 7以降の端末はサイズが大きく、しかも高価です。
一方iPod touchでは、おそらくiPhoneの半額以下の値段で企業が複数台導入できるため、一般の消費者では存在感があまりないiPod touchですが、企業としては必要なデバイスなわけです(といいつつも、私iPod touch買ってるんですけどね。苦笑)
この流れはどこかで見たことがありませんか?
そう、iPad miniです。
端末としては大型化のトレンドが進んでいるのは間違いないですが、飲食店のレジや観光地ではiPad miniの需要って結構あるんですよね。
米国の教育向けデバイスとしてはかなりGoogle Chromeに負けてしまっているので、こうしたビジネス向け用途に関しては、Appleは力を抜くわけにはいかないのです。
こうした3つの理由が、iPod touchやiPad miniのアップデートが絶望的だったにも関わらず、新しく発売された理由だと考えています。
終わりに
<画像の出典:Apple>
以上で「iPod touch(2019)が発売された理由」に関する記事を終わります。
まとめると、iPod touchがリニューアルされて発売された理由は、
・iOS 13に対応するため
・サブスクリプションの販売を推進するため
・業務用端末としての役割を発揮するため
というものでした。
個人的にはiPod touchのリニューアルは歓迎ですね。
あのサイズ感や価格のお求めやすさはとてもインパクトがあります。
256GBが税込み47,304円。iPhoneと比較すると、
・iPhone 7の128GBが66,744円
・iPhone 8の256GBが91,584円
1番安いモデルで比較すると、
・iPod touch 32GB→23,544円
・iPhone 7 32GB→54,864円
やっぱり安いですよ。
片手で持てるあのサイズは電車の中で最適ですし、
メインの端末は「電話やルーター用として大容量のスマホ」を選んで、
日常的に使うのは「iPod touch」という変則的な使い方もできます。妄想が広がりますね。
というわけで、iPod touchが発売された理由でした。
今日はこのへんで・またお会いしましょう。
管理人、きむきむ。
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