「自分のTOEICの点数が、受験者全体でどのあたりなのか」
あるいは、
「その点数を獲得すれば、実際にどんなことができるようになるのか」
気になったことはありませんか?
この記事は、そういった受験者のTOEIC点数の分布について書かれたものです。
TOEICをすでに受けている、あるいはこれから受ける予定の人にとって、TOEICのスコアはどうしても気になる存在です。
この記事を通して、少しでもTOEICへの理解が深まってくれたら嬉しいです。
ではいきましょう。
TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表
TOEICは合否ではなく、10〜990点のスコアで表示されます。
自分の英語能力を数値で把握することができるため、その分成長を感じやすく、モチベーションを管理することが比較的容易である、というのが特長です。
5つの評価
TOEICは、点数の他に、
「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」というものを公開しています。
Aランク、860点以上の方は、「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」
Bランク、730点以上の方は、
「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」
Cランク、470点以上の方は、
「日常生活のニーズを充足し限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」
Dランク、220点以上の方は、
「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」
Eランクの方は、「コミュニケーションができるまでに至っていない」
という評価になります。
<出典>TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表
スコアの目安
一般的に、大学受験を通して入学した学生の場合、
TOEICのスコアが469点以下、「Dランク」というのが最も多いかと思います。
社会人の方の場合、「Bランク」以上を企業が求めるケースが多いです。
TOEICの受験者の多くはCランクになるため、もしあなたがこれからTOEICの勉強を始めるのだとしたら、Bランク以上を目指して学習を進めるのがもっとも現実的な選択です。
受験者の点数分布
では具体的に、TOEICのスコア別に、受験者が一体何人いるのか分布を見ていきましょう。参照していくのは2019年3月に行われた、第238回TOEIC L&R テストです。
受験者数
・142,105人
TOEIC 244点以下
・2,158人
・全体の約1.5%
TOEIC 344点以下 (245点以上)
・11,184人
・全体の約7.8%
TOEIC 444点以下 (345点以上)
・21,422人
・全体の15%
TOEIC 594点以下 (445点以上)
・41,399人
・全体の約29%
TOEIC 694点以下 (595点以上)
・26,272人
・全体の約18%
TOEIC 794点以下 (695点以上)
・20,762人
・全体の約14%
TOEIC 894点以下 (795点以上)
・13,843人
・全体の約9%
TOEIC 895点以上
・5,065人
・全体の約3%
まとめると、
・TOEIC 594点以下の方が、全体の約53.5%
・TOEIC 794点以下の方が。全体の約33%
・TOEIC 795点以上の方が、全体の13.3%
となります。
1番多いのは、全体の約29%を占める、「445点以上、594点以下」の受験生でした。
ということで、
TOEICで600点を超えれば、平均点を超えたと判断して大丈夫でしょう。
履歴書に書ける点数もこのあたりからが目安となります。
スコア別英語能力、実際にできること
では、TOEICのスコア別に実際にできることを書いていきましょう。
<出典>TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表
初めに紹介したこの資料を元に解説します。
Eランク、TOEIC 219点以下の方
「コミュニケーションができるまでに至っていない」という評価ですが、
このスコアに所属する人は、
・今まで英語の勉強を行っていなかった
・英語に苦手意識がある方
といった特徴があるかと思います。
例えば街中で外国籍の方に道を聞かれた時、英語を聞くだけで思わずひるんでしまうか、
あるいは開き直って「日本にいるんだから日本語で話せや」と言うような状態です。
英語の学習としては中学、高校レベルから始める必要がありますが、
日本語でも使われるようなカタカナ英語を喋ったり聞き取ることは出来る可能性があります。
単に学習の経験が少ないだけなので、TOEICのスコアやランクを気にする必要はありません。
Dランク、TOEIC 220点以上、469点以下の方
「通常会話で最低限のコミュニケーションができる」という評価ですが、
How are you?など、学校で必ず習うような英会話の場合、リアクションを取ることができます。高校生までの英語の勉強も行わなかったのではなく、ある程度真面目に取り掛かっていたと思います。
語彙力や文法力、多読の経験などは足りていませんが、日本に来ている外国籍の方と多少コミュニケーションを取ることができます。それは主に相手が配慮していることが大きな要因の1つですが、英語の実力が未熟な分、このタイミングでの異文化交流の成功体験は大きなモチベーションに繋がります。
仕事などで英語を使用するには難しいですが、「いつか英語を喋れるようになりたい」
「英会話のスクールにでも通ってみようかな」、と夢が広がりやすい段階だと思います。
Cランク、TOEIC 470点以上、729点以下の方
「日常生活のニーズを充足し限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」という評価ですが、600点以上取れた場合、その評価はある程度正しいと思います。
仕事で英文メールの作成を行うなど、定型的な仕事の場合は英語でも行うことができるようになります。
勉強の内容は範囲をしぼり、限定的な内容で量をこなすことが上達の大きな要因となるため、「TOEICの勉強は行ったことないけど、仕事で英語を使っている」という人は、このランクに入ることがあります。
また海外の大学に留学することは難しくても、「フィリピンやフィジー留学なら」、と短期留学する人が増えてきているように感じます。英語力よりも、持ち前のコミュニケーション能力(非言語含む)で無双していく人は私も見てきました。(パリピは武器です)
いずれにせよ、TOEIC 600点を超えればある程度の語彙力と文法力が身につくため、いろいろと選択肢が増えてくるのがこのランクの人たちです。
Bランク、TOEIC 730点以上、859点以下の方
「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」という評価ですが、正直過大評価と言わざるを得ません。
英語を全く勉強していない人、あるいは大学生の中では、このクラスの点数を取ることが出来る人は、「英語が出来るひと」という認識は持たれると思います。
ただTOEIC L&R テストはリスニングとリーディングのテストなため、「思ったよりも英語が喋れない」という感想を持つことは、普通なことだと思います。
とはいえある程度英語の聞き取りを行っているため、
非ネイティブの方との英語のやりとりであれば、ある程度十分なコミュニケーションを取ることができます。また英語で書かれた字数制限の本を読んだり、海外のWebサイトへアクセスすることも不可能なことでは無くなります。
Aランク、TOEIC 860点以上の方
「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」という評価ではありますが、
英語の運用能力としてはネイティブの小学生にも負けるレベルです。
ただし、英語ではなく専門知識を持っている、ロジカルシンキングができるなどの特徴を持っている場合、日本と全く接点の無いネイティブの方でも耳を貸してくれることがあります。
このレベルに達した人は、英語学習が単なる一過性の目標ではなく、生涯取り組まなければならない高い壁だと認識している人が多いでしょう。
TOEIC受験者の上位10%程度の英語力を持つ実力者ですが、まだまだ努力する必要があることを、自分自身がよく理解していると思います。
とはいえ国内の就職、転職で求めるTOEICのスコアとしては、ほぼ足切りをされないレベルですし、実際に英語を日常の生活の中で使用する機会も増えています。街中で英語で話しかけられても、あせったりすることはありません。
英語が苦手だった頃思い描いていた英語能力とは違いますが、遥かに将来や日常での選択肢が増えていますし、資格のための勉強をもう行わない、という選択もできるようになります。
TOEIC 950点以上の方
この点数の場合、TOEIC公式からの評価はありません。
帰国子女でもなく、留学の経験もないまま国内で勉強を続け、この点数を獲得できた人はよっぽど勉強を行ったのだと思います。
ネイティブと対等に話しをするのは難しいですが、英語で情報をインプットする習慣、アウトプットする習慣が日常的に存在する人が多いです。非ネイティブの方との場合は、主導権を握って会話を進めることもできるようになります。
一方で、帰国子女の方や留学経験のある人にとっては、あっさりと獲得してしまう点数です。留学すれば語学力がすぐに伸びるわけではありませんが、そうした人たちと比べると、まだまだ学習時間が足らず、環境の違いもあります。
このレベルになると英語力の伸びはある程度落ち着いてくるため、仕事や友人とのコミュニケーションを考えると、彼らの文化を理解したり、予め話す内容の準備を行った方が、遥かにうまく物事が進みます。
では最後に、実際にTOEICの有段者がどの程度英語を話せるのか見てみましょう。
あくまで参考ですが、自分の将来像と、彼女たちの姿に共通点があるか想像してみて下さい。
まとめ
以上で「TOEIC スコア別、受験者の分布と実際にできること」の記事は終わりです。
まとめると
・TOEIC 594点以下の方が、受験者全体の約53.5%。
・目標はまずTOEIC 600点から。履歴書にも書けます。
・TOEIC 950点を取っても、英語の勉強の道はまだまだ続く。
という内容でした。
目標スコア別の学習計画に関しては、こちらの記事から飛ぶことができます。
ぜひご自身の勉強に生かして下さい。
それではまたお会いしましょう。
管理人、きむきむ。
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