この記事では、「必要最低限の勉強」で目標を達成するための「勉強計画」について解説しています。
前回の記事では、「860点以上」も狙える広範囲な勉強計画を紹介しましたが、今回はより 860点を奪取することのみに特化した学習内容となっています。
この記事ではそのような方に役立つ情報を掲載しています。
それではさっそく内容を見ていきましょう。
<これまでの勉強計画まとめ>
今回はTOEIC 860点を達成するための勉強計画です。
この記事のコンセプト
この記事は、
・現在TOEIC 730点相当の英語の実力があり、
・必要最低限の勉強と時間で、TOEIC 860点をサクッと獲得したい人向けの記事です。
すでにTOEIC 860点以上を獲得するための記事はいくつか投稿しておりますが、
読者の対象をTOEIC 650点以上と広く取っているため、勉強の期間が長く、内容も一部
易しい参考書を使用しています。
そのためTOEIC 730点以上を対象にし、
「勉強の期間を短く、より特化した勉強を行いたい」、という意見に答えるための記事がコチラです。
使用する参考書
TOEIC 860点を獲得し、Aランク(860〜990点)へ入るために取り組むべき参考書として、下記の9冊の勉強を推奨しています。
・TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
・公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5
・TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル
・TOEIC テスト新形式精選模試リスニング2
・至高の模試
・TOEIC テスト新形式精選模試リーディング2
・総合英語Evergreen、もしくは、アトラス総合英語 英語のしくみと表現
勉強の全体像
勉強期間は、約2ヶ月を想定して設計しています。
スケジュール
1ヶ月目→リスニングセクション。
2ヶ月目→リーディングセクション、本番対策
上記のトレーニングと並行して、語彙力の強化を随時行っていきます。
目的別の参考書
単語、読解力を強化するための参考書
リスニング力を強化するための参考書
リーディング力を強化するための参考書
試験の難易度
TOEIC 860点を獲得するためには、
・リスニングセクションで、約86問。
・リーディングセクションで、約93問。
合計、約179問/200問中、正解する必要があります。
勉強の計画、流れ
初めの33日間 (リスニングセクションを強化する期間)
・公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5
・TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル
・TOEIC テスト新形式精選模試リスニング2
9日間 (Part 7を強化する期間)
・至高の模試
9日間 (リーディングセクションを強化する期間)
・TOEIC テスト新形式精選模試リーディング2
仕上げの11日間 (試験本番に備える期間)
・模試
・本番対策、弱点の補強
同時並行で、語彙力の強化を行っていきます。
参考書の進め方
では、それぞれ参考書をどのように使用していくか解説していきます。
語彙力の強化
勉強のスケジュールとして、
1ヶ月目→リスニングセクション。
2ヶ月目→リーディングセクション、本番対策
を計画していますが、同時に語彙力の強化に務めます。
使用する参考書は「金のフレーズ」です
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
こちらは中・上級者向けの単語帳で、TOEIC900点超えをするための単語が掲載されています。
TOEICの目標点数別にコンテンツが作成されているところが特長で、
600点レベル→400語
730点レベル→300語
860点レベル→200語
990点レベル→100語
その他(定形表現120、パート1重要語100等)
という構成になっています。
<進め方>
本の進め方ですが、目標点数にしぼって学習を進めていきます。
勉強する対象は、
・860点レベル→200語
・990点レベル→100語
・定形表現→120語
の合計420語です。
990点レベルの単語は、実際に900点前後を獲得するために必要になるレベルなため、
知っているとPart 7の攻略に役立ちます。
学習は低いレベルから高いレベルへ徐々にレベルアップさせていきますが、この420単語を勉強期間の2ヶ月で理解するという意識を持って下さい。
<学習の仕方>
1.860点レベル (200語)に取り組む。
2.定形表現 (120語)に取り組む。
3.990点 レベル(100語)に取り組む。
この時、初めから全てを覚えようとするのではなく、まず目で知らない単語を覚えることが大切です。
そのため、7〜8割の理解が出来たと感じたら、次の学習範囲に取り組むようにしてください。
初見の単語のスペルや発音、和訳を一度に覚えるのは誰でも難しいことですが、何度も見ることによって徐々に覚えることができるようになります。
またリスニングセクションやリーディングセクションの単語と重複するところも多いので、わからない単語に関してそれほど不安にかられる必要はありません。
時間は2ヶ月かけられますので、徐々に覚えておきましょう。
<単語の覚え方>
1.まず学習範囲の単語に一通り目を通してチェックする
初めにとりかかるのは860点レベルの200語です。
この中にはすでに覚えている単語も含まれますので、
200語の中から新しく覚える必要のある単語を抜き出します。
ページをめくりながら、わからない単語に印を付けておきます。
左ページにチェックを入れる箇所があるので、そこを使用するか、
☆を書くなど自分でわかりやすい記号を使用して下さい。
その際、「全く見たこともないような単語」が存在したのであれば、
「見たことはあるけど意味がわからない単語」とは別のマークを入れておくと、
後々の学習に役立ちます。
2.単語の暗記に取りかかる。
わからない単語を覚える作業に取り掛かります。
単語のスペル、意味、解説、どのように使われるか(フレーズ)を確認します。
リスニングセクションで出題されそうな単語については、電子辞書やパソコン、スマホを用いて発音を確認するのが好ましいです。
3.覚え方
覚え方は、「集中して覚える作業」と、「毎日継続して眺めることで覚える」の2種類が存在すると思います。
「集中して覚える作業」の代表的な学習例は、紙に書く、音読する、単語カードに書く、などの作業です。
何度か目を通し、覚えるべき単語が50語程度になったら、単語カードを作成するのが早いと思います。表のページが英語、裏のページが日本語と、典型的なもので構いません。
一方でそれ以上の数になると、「単語カードを作成するための時間がかかりすぎてしまう」、単語カードを作成しても、「結局参考書を見ないと中身を思い出せない」などの弊害が起きる可能性があるので、気をつけてください。
「毎日継続して眺める作業」は、1日2回。
寝る前と起きた後に行うのが好ましいです。
単語、和訳、単語、和訳と交互に眺めることで、テスト本番でも自信はないんだけど、
「この単語を見ると、この日本語が思い浮かぶ」という状態が出来てきます。
リスニングでは役に立ちませんが、リーディングでは役に立てる可能性があります。
「集中して覚える作業」の方が効果は高いですが、あちらは集中力と労力が求められます。
一方でこちらの作業は気軽に行えるトレーニングなので、毎日2回、習慣づけましょう。
4.最後に
860点レベルの学習が7〜8割終えたら、定形表現(120語)、990点レベル(100語)と徐々に学習の範囲を広げて下さい。
その後は860点レベルの2割の単語の復習をしながら、新しい範囲の学習を進めていくことになります。
リスニング力の強化
勉強のスケジュールは、下記の通りです。
1ヶ月目→リスニングセクション。
2ヶ月目→リーディングセクション、本番対策
ここでは、1ヶ月目のリスニングセクションの勉強に該当します。
試験の難易度のところで、TOEIC 860点を獲得するためには
・リスニングセクションで、約86問
・リーディングセクションで、約93問
合計、約179問(200問中)、正解する必要があると書きました。
これはリスニングとリーディングがそれぞれ430点の場合を想定していますが、
使用されている語彙のレベルを考えると、リーディングよりもリスニングの方が易しいです。
そのためこのブログでは、430点ずつではなく、
・リスニングセクションで460点
・リーディングセクションで400点
を取りにいきます。
リスニングで90問、リーディングで87問の正解を目指していきます。
つまり、リスニングは9割の正解を目指し、リーディングは9割に近い正答率を目指して勉強していくことになります。
そのため勉強の初めの1ヶ月目となるリスニングの勉強は、気を引き締めて取り組むようにしてください。
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5
こちらはテストを開発している団体が、実際のテストと同じプロセスで作成した模試を
2回収録した参考書です。
すでに何冊か発売されていますが、こちらは2019年6月に発売された最新の問題集です。
特長としては、試験本番のナレータと同じ人が、模試のナレーターを務めているということです。
リスニングセクションは9割正解することを目指しているため、ここでは最も難しいPart 4の学習を進めていきます。
公式問題集には模試が2回分収録されているため、
Part 4の説明文(トーク)は、全部で20個(1模試10個×2)です。
こちらの問題を使用して、オーバーラッピングを行います。
オーバーラッピングとは、
英文を見ながら、流れてくる音声と同時に文章を朗読することです。
「音読」「素読」とも呼ばれ、江戸時代に盛んだった勉強法です。
この手法を用いて、Part 4の声明文(トーク)を音読していきます。
公式問題集5の解説書には、説明文の英文と和訳が掲載されているため、そちらを使用します。問題文は今後も使用するため、何も書き込まないでください。
<勉強のルール>
・1日、5個の説明文を取り扱います。
・音読する回数は、1個の説明文あたり、5回です。
・音読する回数が30回になったら、次の範囲の勉強に取り掛かります。
<日程>
・1〜6日目→1〜5個目の説明文 (音読5回×5個の説明文×6日間)
・7〜12日目→6〜10個目の説明文 (模試第1回目終了)
・13〜18日目→11〜15個目の説明文。
・19〜24日目→16〜20個目の説明文 (模試第2回目終了)
24日間で公式問題集5の、模試2回分のオーバーラッピングが完了します。
<勉強のプロセス>
①説明文5個の読解をまとめて行う。
②テキストを見ながら、音声を流す。その際に発音を確認する。
③音声を聞きながら、音読5回行う。
④説明文5個で、上記の作業を行う。
初めて行う場合は、いろいろとルールがあって面倒くさいと思います。
ただリスニングセクションで9割の点数を獲得するために、効果的な方法であることを忘れないでください。
この学習は、読解とリスニングを兼ねたトレーニングです。
また、普段から英語を意識的に聞くトレーニングを積まなければ、
45分間のリスニングセクションを集中して臨むことができません。
1日のトレーニング時間は30分よりも短いものなので、必ずこのオーバーラッピングを行うようにしてください。単に英語を聞き続けるよりも確実に効果が見られる勉強法です。
・リスニングセクションで流れる英語の文章を、目で見て、読んで内容が理解できなければ、問題を解くことはできませんし、
・ある程度の英語の発音を理解していなければ、英語を聞き取ることはできません。
また、普段から英語を意識的に聞くトレーニングを積まなければ、
45分間のリスニングセクションを集中して臨むことができません。
TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル
初めの1ヶ月目のリスニングトレーニングですが、
公式問題集4のオーバーラッピングに加えて、パート1、2の勉強も同時に行います。
この本はTOEICのPart 1、2のみの問題が収録された参考書で、模試7回分の問題を解くことが出来ます。
・Part 1→50問
・Part 2→175問
20問からなる模試が、11セット収録されています(Part 1が5問、Part 2が15問)
これを1日2セット行い、参考書を3周こなしていきます。
1周するのに6日かかるので、18日間で3周できる計算になります。
オーバラッピングを含め、24日間で2種類の参考書を終えることが出来たら、
リスニングセクションの勉強の締めとして、下記の模試を受けて頂きます。
TOEIC テスト新形式精選模試リスニング3 or 2
この本はリスニングセクションの模試が5回分収録された本です。
同じくリーディングバージョンも存在するため、セクションごとに対策を行う他、2冊合わせて試験本番の予行演習を行うことができます。
ここまでに、Part 4、Part 1、2とリスニングセクションの勉強に力を注いできました。
その勉強の締めとして、模試を解いていきます。
本来であれば模試を丸々1回分解くのがよいのですが、2時間という試験時間とプラス復習の時間を取るのは難しいので、セクションごとに解いていきます。
模試3回分を、合計3回解いていきます。
試験時間は本番と同じ45分。その後問題の復習を行います。
順番は、下記の通りです。
1.模試1回目→復習
2.模試1回目→復習
3.模試2回目→復習
4.模試2回目→復習
5.模試3回目→復習
6.模試1回目→復習
7.模試2回目→復習
8.模試3回目→復習
9.模試3回目→復習
勉強の想定日数は9日です。
参考書24日間。模試9日間。
合計33日を持って、1ヶ月目の勉強スケジュールが完了です。
リーディング力の強化
勉強のスケジュールは、下記の通りです。
1ヶ月目→リスニングセクション。
2ヶ月目→リーディングセクション、本番対策
ここでは、2ヶ月目のリーディングセクションの勉強に該当します。
リスニングが9割の正解を目指しているのに対し、
リーディングは9割に近い正答率を目指すのが目標です。
至高の模試
至高の模試は、模試が3回分収録されており、解説がとても丁寧な参考書です。
ここではリーディングセクションのPart 7の学習をしていきます。
リーディングセクションの試験時間は75分間ですが、
Part 7の長文は55分を目安に解く必要があります。
その際のタイムマネジメントを意識しながら、模試3回分を、合計3回解いていきます。
順番は、下記の通りです。
1.模試1回目→復習
2.模試1回目→復習
3.模試2回目→復習
4.模試2回目→復習
5.模試3回目→復習
6.模試1回目→復習
7.模試2回目→復習
8.模試3回目→復習
9.模試3回目→復習
勉強の想定日数は9日です。
これだけ模試を解くことができれば、大分長文問題を読むことに抵抗が無くなってくると思います。
また同時に学習している金のフレーズの単語が、実際に模試に出てくる単語が収録されているのだと納得することが出来ると思います。
TOEIC テスト新形式精選模試リーディング3 or 2
次にリーディング対策の締めとして、模試を解いていきます。
新形式精選模試リスニング2と同じように、
この本はリーディングセクションの模試が5回分収録された本です。
同じように、第1回から第3回目までの模試を3回ずつ解いていきます。
順番は、下記の通りです。
1.模試1回目→復習
2.模試1回目→復習
3.模試2回目→復習
4.模試2回目→復習
5.模試3回目→復習
6.模試1回目→復習
7.模試2回目→復習
8.模試3回目→復習
9.模試3回目→復習
勉強の想定日数は9日です。
ポイントは、制限時間が75分であるということです。
これまでPart 7の長文問題を55分で解くトレーニングを行ってきました。
Part 5、6は合わせて20分で問題を解く必要があります。
時計で時間を測りながら、タイムマネジメントを意識して模試を解けるようにチャレンジしてください。
至高の模試9日
新形式精選模試9日の学習が終わりましたので、
最後の1ヶ月、試験本番までの残り日数は11日です。
仕上げの11日間 (試験本番に備える期間)
試験本番まで、残り11日になりました。
ここまでの勉強の途中で休みを入れられた方もいらっしゃると思うので、正味1週間程度と想定しても良いかもしれません。
試験本番前の最後の調整として、ここでは模試と弱点の補強に取り組んで下さい。
模試
試験本番前に、少なくとも2回は模試を受けましょう。
これまで数多くの問題を解いてきましたが、最後の調整としてリスニングとリーディングを一遍に解く必要があります。
主に体力、集中力、タイムマネジメント力など、英語の知識以外の面での調整です。
そのため、模試を解いた後はそれほど復習に時間を注がなくても構いません。
そのかわり、模試を本番に近い形式で行う、2時間の試験に意識を集中させる、ということが求められます。
模試を受けるタイミングですが、試験日まで1週間あると思いますので、
新形式精選模試の第4回と第5回を、1週間前と、2日前か前日に解くようにしてください。
またタイムマネジメントですが、ただ2時間測るのではなく、
本番と同じように、時計を13-15時に設定してから行ってください。
本番対策、弱点の補強
本番対策や弱点の補強に費やせる日数は、5日前後になると思います。
ここでは、各自必要だと思った勉強に取り組んでください。
勉強の例を挙げると
・金のフレーズで単語力の強化
・Part 3のオーバーラッピング(図解が掲載されている4トーク)
・Part 6の問題のみ解く
・毎日至高の模試のリーディングパートを30分読む
・公式問題集4のリーディングセクションを解く
など様々な取り組みが考えられます。
相対的な勉強の量としては、
Part 3やPart 6を解く機会を設けても良いと思いますし、
確実なところでいくと、
・至高の模試のリーディングパートを毎日30分読む
・金のフレーズで語彙力強化
・Part 4のオーバーラッピング、の3つが良いと思います。
必要なことはそれぞれ変わってきますので、体調も気をつけながら最善を尽くしてください。
まとめ
以上で、「TOEIC 730点から最短で目指すTOEIC 860点勉強計画」の記事は終了です。
改めて勉強の計画をまとめたいと思いますが、
勉強期間としては2ヶ月前後を想定しています。
<1ヶ月目>
・公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 5
・TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル
・TOEIC テスト新形式精選模試リスニング3 or 2
・金のフレーズ
<2ヶ月目>
・至高の模試
・TOEIC テスト新形式精選模試リーディング3 or 2
・模試
・弱点の補強
・金のフレーズ
かなりタイトなスケジュールですが、自分の出来る範囲内で勉強を継続させてください。
「これだけやったのだから」と、いつか自信を持って振り返られる日が来ます。
努力が実を結ぶことを祈っています。
管理人、きむきむ。
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